2018年1月に読んだ本

この本の名は?: 嘘つきと正直者をめぐる不思議な論理パズル

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いつも嘘をつく悪漢と,いつも本当のことを言う騎士がいる. あるとき,Aが「私は悪漢だが,Bはそうではない」と言ったとする.A,Bはそれぞれ悪漢,騎士のどちらか.

こんな感じの論理パズルが300問ぐらい載っている本.集合の話や述語論理,ゲーデルの定理の話や,ノイマンの逸話まで,論理というものについて基礎的,パズル的な問題が数多くあって面白かった.そしてとても頭を使った.

肩をすくめるアトラス 第一部

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アメリカで聖書の次に読まれているらしい. 第一部を読み終わった感想:なかなかに胸くそ悪い内容だったので続きを読むか迷う(読むけど).面白かったんだけど読んでてフラストレーションがたまる.優秀な主人公一味と,ひたすら足を引っ張るくせに主張ばっかりしてきて強欲な周りの人達が対比されていて,なんか読んでいてうーんってなる.

ただこの本が書かれた経緯をチラ見した感じではなんかあえてそう書いているのかなとか,作者とこの本を作って欲しかった人はどちらの視点からどうなって欲しくてこの本を書いたんだろうとか,これを実社会に当てはめて考えてみるとどうなるんだろうとか,メタ的なことを考え始めると結構面白い.

あなたの知らない脳──意識は傍観者である (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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意識とは何か,経験とは何か,あなたが何かを考えているとき,その考えはどこから来ているのか.意識というものは現象の傍観者であり,脳の中の様々な機能からなるライバルで構成されたチームがそれぞれ現象を認識し,意識がそれを都合良く解釈しているだけである.と,こんな感じのことが書いてあったと思う.

その他にも,具体的な脳の一部分をあげ,それが何をしているのか,そこが壊れるとどうなるのか,などを解説していて,とても面白かった.

著者の主張の一つに,このように脳科学はどんどん進んでおり,今までは精神疾患であったものが神経網の傷によって説明できてしまうようになっていくなかで,犯罪などを裁く際に,なぜそうなったかを非難するのではなく,ではこれからどうするのか,を議論するべきだ,というものがあり,非常に同意.

またこの本を読んでいてわかったことは,直感に反して,意識は人体のOSではなく,UIの一種で,様々なプロセスが動いているうちのデーモンの1つでしかないということ.動く物を見るプロセスや,音を聞くプロセスなど,脳の中では様々なプロセスが動いていて,そしてこの脳というOSが求めているのは生存欲求であるようだ.その割に意識プロセスは人にとって重大な役割を持っており,そのせいで見ていることと考えていること、意識していることの違いが生まれ,色々ややこしいことになっているようだ.

森田療法

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森田療法という心理療法についての本.

不安に対して,どうやって対処するか?という話.キーワードは「あるがまま」.自分の中にある不安や恐怖に対して,ただ逃げるのではなく,しかし立ち向かうのとも少し違い,そういうものがあるということを”あるがままに”自分の中で受け止め,その上で人間として,よりよくなるように動いていく,と良いとのこと.この辺,自分のすきな「きっと,うまくいく」という映画で出てくる,”Aal izz well”という言葉に似ていて楽しかった.自分が苦悩していることをあるがままに認め,そこから自分が真にどうなりたいか,というのを考えるという課程が解説されており,ためになった.

考具 ―考えるための道具、持っていますか?

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アイデアを出すための道具についての本. とにかくメモを取ること,なんでもいいのでとりあえず案を出すこと,そしてそこからひろげ,しぼること.

まずはひろげることが大事と言うことで,マンダラート,マインドマップが紹介されていた.

とにかくメモを取ること,考えたことを書き出すことが強調されていた.ツールについては,すでに知っているのもあったが改めて参考になった.