ソフトウェアエンジニアとしての人生ゲームでスキルの3軸、自分の中の3人をどう育てるか
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はじめに
個人レベルでのスキルの割り振りについて、思考をまとめるためのメモがてら記しておく。 いくつか他の記事でも似たような考え方は見た記憶があるので、見つけたらリンクを貼っておく。 また、自分はソフトウェアエンジニアでしかもペーペーなので、時が経ったり、他の立場の人から見たりしたら全く異なる意見になるかもしれない。
3軸
自分のキャリアを考えていく上で、どういうスキルを身につけるか、あるいはどういう人になりたいかということを考えながら周りの人や環境を見たときに以下の3軸があると思っている。
- ギーク:新しい技術を身につける・使う人
- ビジネスマン:お金を稼ぐ・仕事を回す人
- アーティスト:新しいものを作る人
もちろんこれ以外にも、マネジメントスキルとか、語学スキルとか、言語スキルとか基礎となってくるスキルも色々ある。だがおおまかに分けるとこの3タイプになるのではと思う。
個人としての成長戦略を考えたときに、このスキル割り振りをどうするか、自分のメンターやロールモデル、あるいはチーム、組織はどういうスキル割り振りか?とか気にしてみると結構面白い。 特にソフトウェアエンジニアの面白いところは、この3軸すべて伸ばそうと思えば伸ばせるところだと思う。
スキルの大きさと割合
大きさ
各軸について、HumanKindのグラフみたいな段階があると思っている。
今週登場したクリエイターの格付け「THE AK LINE」は広告業界に実在するアイデアの指標「ヒューマンカインド」を元ネタにしてます。
— かっぴー/左ききのエレン👉13巻発売中 (@nora_ito) August 15, 2020
こちらは8超えをエイトボールと評し、確実に世界的な賞を受賞できるレベルとされています。
確か「iPhone」が9だった記憶…。 pic.twitter.com/QH20DTG8GX
どの軸についても、飛び抜けている人はそれ単体で生きていけるし、できる人は早い段階でかなりの高レベルになるのではないかと思っている。 だが大体の人は各スキルが1ないしは0、得意分野は2ぐらいで社会人になり、ベテランと言われるようになるまでに日々の仕事や趣味、自習によって各軸少しづつ伸ばしていくことになるのだろう。
やはり社会人の場合仕事によって伸びる割合が一番多いのではないかと思う。また、どの軸についても学習をやめると成長が止まり、年が立つとだんだんと衰退していくのだろう。
割合
バランス型
器用貧乏とも言われるタイプ。こういうタイプの人は、ユーティリティ・プレイヤーとして色んな所でやっていける一方、すべての知識を高レベルで維持するのは相当難しいと思う。 実際3つがハイレベルにきちんとバランスしている人はほとんどいないと思う。少なからずバックグラウンドの分野や今取り組んでいることにバイアスがかかっているはず。
ギーク+ビジネスマン型
ビジネス知識を持ちつつ、技術スキルもあるタイプ。SIerに多そう。 新しいものを作るよりは、スケジュールを立ててしっかりとものを作るタイプでProject Managerとかになるのかもしれない。 技術スキルもビジネススキルも潮流が早そうで、しっかりついていくのは難しそう。
ギーク+アーティスト型
技術スキルがあり、新しいものを作っていくタイプ。OSSや企画開発などで世の中にないものを作って提供していくイメージ。 ハイレベルであってもお金を稼ぐのが難しそうだが、評価されるところに行けば相応の評価をもらえる人たち。 世の中でいわゆる天才と言われる人たちはここになる一方で、ワナビーがもっとも多そうでもある。
ビジネスマン+アーティスト型
新しいアイデアがあり、それを具体化してお金にするタイプ。ベンチャーを作ったり、経営戦略などを行なうタイプ。 これにさらに技術スキルがあると一人でなんでもできる人になる。あるいは自分のために技術を提供してくれる部隊が必要になる。 どれくらい具体的なビジョンがあるか、人を集められるかで成否が決まっていきそう。
組織構成
個人、チーム、部門、会社単位で見たときに、大きくなればなるほどバランスが取れていくはず。チームを作ることになった場合、そのチームの目的や目標によってどういうスキル軸の人がほしいか決まってくると思う。
ただし、個人という視点で見ると自分に影響を与えるのはせいぜい部門単位で、直近のスキル成長という面ではチーム単位での影響が一番大きいのではないかと思う。 会社の場合、各部署で求められていることやその時点でのチームバランスによって外発的に中の人のスキルバランスが成長していく。
個人のスキルとキャリアパス
自分のやりたいこと、伸ばしたいスキルを考えたときに、今の仕事とギャップを感じてしまうこともあると思う。そうなるとそこを抜け出したくなるはず。 そうなったときに、自分の伸ばしたいスキル構成になれるようなところに所属するためには、 今の仕事では伸びないスキルを自分で伸ばさなければいけないという状態になりそう(大企業の新卒配属などそれまでのスキル構成を無視した配属でない限り)。そうなると自習が必要になる。
このときの自習は、すぐに成長に結びつくものでもないし、ましてや報われる保証なんてないわけで、個人で努力するにはある程度胆力がいりそう。 だが一人で楽しめない部分を伸ばそうとしてそれはそれで本当に幸せなのかという考えもあり、時間などの都合を見て自由にやっていくのが良さそう。
また、自分で考えている得意分野、なりたい人と、他人に認められる・必要とされる分野が違うこともあると思う。他人に褒められるところが自分の得意分野という意見もあるが、どこまで自分を曲げずに過ごしていくか、どこまで受け入れるのかも悩ましい。
スキル割り振りについては、自分から成長するよりも外部環境によって成長する割合の方が大きいらしい(となんかで読んだ)し、意外と個人でドリブンできる範囲は小さいのかもしれない。なので方向をある程度考えながら流れに身を任せていた方が楽な部分もありそう。 あと、あまり枠にはめて考えすぎるのも柔軟性を失うのかなと思ったりもする。
さいごに
こういうこと考えるの面白いけど、うだうだ表面で考えているだけで何も行動を起こさないのが一番良くないのかなと思う。 まぁ悩みすぎても疲れるだけだし、ゲームだと思って楽しみながら人生をやっていきたい。