Introduction

今年の上半期に読んだ本について,軽い感想とともにまとめる.今年は本を読む→感想ツイートをするの流れを作ってたらだんだんツイート数が多くなる傾向にあったので,7月ぐらいから適当でもブログにまとめることにしていた.なのでとりあえずまだまとめてなかった上半期の本についてまとめる.あとで今年読んだ本についてのまとめ記事も書く予定.

1 幼年期の終わり

すごい面白かったんだけど感想が難しい. ハッピーエンドとかバッドエンドとかそういう次元じゃなくてなんか伝記物を読んでるような感じがした

2 Rosie effect

前作に引き続き面白かった。英語の小説、だいたい流れは追えるんだけど細かいところが理解できなかったりしてやっぱ母国語並みにするのは難しいなぁと思う.読むのには2ヶ月ぐらい、正味だと30時間くらいかな.あとわからない単語はどうしてもあるので次から英語の小説は電子書籍にしようと思った.

3 ITエンジニアのための機械学習理論入門

初歩的な手法について一通りまとまってた、数式の意味をきちんと書いてくれるのでわかりやすい、なんとなくどういうことやってるのかわかった気がする

4 創造の方法学

古いからかタイトル大きすぎる気がする、社会学における分析方法論とかで良いのでは。あと筆者の自分語りが多かった。分析の考え方は参考になった

5 美学への招待

しょうじきよくわからなかった、なんとなく美学ってそういうこと研究するんだーってのはわかったような気がする

6 「なぜ?」がわかる世界史,〜前近代」

civ5やってたら世界史やりたくなって読んでる,civ5→本→civ5って無限ループできてしまう.世界史講義録っていうサイトを書籍化した本なんだけど読みやすくて面白い.

7 フォークの歯はなぜ四本になったか

フォークとかの色んな物について,なぜ,どういう経緯でその形になったかを述べる.どんなものにも失敗があり,発明家やエンジニアがそれを直そうとして新しい物が生まれるという話.ちょっと前に見た,まずは雑に作るって話と関連ある.完璧な物など作れないから,まずは機能を果たすものをとりあえず作るのが大事.それには何かしら問題点があって,それを次はうまく解決することをめざす,という流れ.使ってる道具に対して不満を持つことは悪いことではないと思ったので積極的に不満を見つけて改善していこうと思った.

8 心はすべて数学である

脳と心の関係性を数学(カオス的なもの)で表せるのではないか、というのが主な筆者の主張。この研究に対して、関連事例や実験、考察を丁寧に説明してくれている。難しいけどわりと面白かった.数式が出てくるわけではなくて、概念の説明が中心.

9 悪循環の現象学

行為の意図せざる結果、がテーマの本。内容として社会学を考えるときの話がメインな気がする、でもわりと具体的な話が多く参考になるとこもあった。

10 誰のためのデザイン?

使いやすい道具とは、ユーザーがしたいこと、したことが見えて、フィードバックが返るようなもの、人が道具を使うときにどういうところでなぜミスが起きるか、使いやすい道具とはどういうものか. 読みやすく、また非常にためになる本だった。やっぱ有名なだけある。そして良い本あるあるとして関連する文献、本がいっぱいあげられている。何か作るとき、デザインするときに都度読み直したい. 書いてあることは難しくないし納得できるんだけど自分が実践するのは難しいんだよね. あと、あげられている文献の多さもそうだけどコンピュータの進化の方向性とか予知的な部分もあってこの人すごいなと.

11 ハローサマー、グッドバイ

SF2,戦争3,恋愛4ぐらいの割合だった。設定は異世界だけど内容はジュブナイルな感じで読みやすく面白かった。スタンドバイミーとタイタニックっぽさを感じた(他の作品に例えないと説明できないのか)あとこういうの読んだときに大人側の視点で見たりするようになったの老けたなと感じる.

12 地下室の手記

1人の男の自分語りでできた小説、引きこもってて卑屈なくせに自分のことはすごいと思ってて周りからも認めてもらいたいけど周りのことはとにかくバカだと思ってる男の話 この人の本、登場人物がいちいち心をえぐる性格してるから読んでても全然面白くないんだよね.でも読んでしまう.こんな人達をこんなふうに文字で伝わるように書けるのほんとすごい.

13 みんなの意見は案外正しい

多様性、独立性、自律性が保たれた集団は、専門家などの少数で下される判断よりも良い判断をする可能性が高い、という話。チームの話とか、市場、政治の領域まで色々な分野でそれを確認していて面白かった. ただ、やっぱほんとか?という気持ちはある、うまくいった事例を調べたらそういう傾向があったということで納得しとこう.

14 「なぜ?」がわかる世界史、オスマン帝国〜現代

中盤イギリスというか列強やりたいほうだいだなとおもった、あとなんか知らんけど時代を駆け抜ける英雄的な人が時々出現するの面白い(そして晩年はだいたい島流しか暗殺されてる) とりあえず一通り世界史読んでみて、一本スジが通ったというか他の本読んでても時代背景とか国とかが思い浮かぶようになったのでめっちゃよかった あと非常に旅行に行きたくなった、とっとと人生卒業してダラダラ世界をさまよいたい.

15 神話作用

正直さっぱりわからなかった。前半のエッセイ部分も何いってるのかよくわからなかったし第2部の解説っぽいところも意味不明だった。言葉の作用的な話をしてるんだと思うんだけど、何が言いたいのかわからんし完全にお手上げ侍.もともと難しいと思うんだけど時代背景、前提知識の不足もあるせいでまじでだめ.

16 哲学のモノサシ

大学入ったぐらいからモヤっと考えていたことたちが言葉になっていてすごく面白かった、考えるということを考えることが哲学なんだろーなーという感想。 ふっとした考えから何故そう思うのか、感じるのかということについて昔からずっと知見が積み重なっていて、それが科学であり哲学なんだろうな 内容としては、まさにモノサシって感じで、いろんな方向に線が引けるように話をおいていってくれてた。良い本.

17 どうすればたくさん書けるのかーできる研究者の論文生産術

去年振り返って締め切りにずっと追われてたり文章書けないーと思ったりしてたので読んだ。スケジュールを立てて、習慣にするのが大事、ということ。書くときの気持ちの持ち方、論文の内容、文法なと幅広く書いてある良い本だった 言い訳せずにきちんと時間決めてやろうと思った。

18 人を動かす

相手のことをよく考えること、ほめること.己の欲せざる所はうんぬんとか、やってみせ、ほめてみせとかこんな感じのことわざいっぱいあるしやっぱそういうのが大事なんだろうな(でもこれをちゃんとやるのが難しいという)てかこういうの読むとどうしてもメタ思考になりがちな気がするんだけど(こういうふうにやらなきゃとか)そういうのってどうすれば良いんだろう、相手に気づかれなければいいのかなとか気にせず素直にやればいいとか思考が再帰しちゃわない?

19 話し方入門

話すことについてしっかり考えること、準備すること、聞き手のことをよく考え、聞き手が聞きやすいように話をすること。テクニックもいくつかあったけど大事なのはこのへん.

20 虎よ、虎よ!

とても勢いのある小説、常に全力疾走してる感じ。訳が少し読みにくかった。

21 進化しすぎた脳

記憶とか認知とかの脳の働きについて、生物とか化学の分野からわかりやすく説明してくれる本。中高生向けの講義をもとに作られたとのことで読みやすかった。シナプスとか神経細胞の働きとか、へぇーって感じ。 脳の働きが所々コンピュータと似てたりして面白い。脳とか心の働きについて、心はすべて数学であるは数学の分野からのアプローチだったけど、生物の分野からの説明も面白いとおもった.

22 利己的な遺伝子

生物というのは、自己複製と突然変異という機能を持つ遺伝子によって構成されている。個体というのは遺伝子にとっての乗り物で、遺伝子がより増えるため、長く存在するために存在している。 動物や植物の進化においては、遺伝子がどうやったら増えることができるか、という観点にたつと説明できることが多くある。 生物の話と思いきや、アルゴリズムとかゲーム理論とかの話にも入ってきて、非常に面白い。また、10章で述べられていたミームという概念も納得のいくもので面白い。 長かったけど、内容はとてと丁寧でわかりやすく、読んで良かったと思える。考えたくなるような題材が本当にいっぱいあって面白い本だった。

23 人工知能は人間を超えるか

過去二回の人工知能ブームで何があって、でいまのブームではどういう手法が使われてブレークスルーしたのか、そして今後どういう方向で発展していく可能性があるのかについてわかりやすく書いてある 内容的に読まなくても良さそうだなーと思ってたんだけどなんとなく引っかかってたので読んでみた、深く掘り下げるような本じゃないから読んでも微妙かなと思ってたけど結構良かった、3時間ぐらいでサクッと読めたし 個人的には、ディープラーニングの仕組みの説明部分が、何やってるのかとかが超わかりやすかった

24 Python機械学習プログラミング

基本的なアルゴリズムから,DLの基礎まで,解説と実際のコードで動かしてみることができて良かった.とりあえず何かしようとしたときにこの本のコード参照することができて便利.良い本.3月ぐらいには終わらせたかったけど倍かかった.

25 コンピュータと認知を理解する

前回の人工知能ブームの時に書かれた本。前半で認知とはなにかとか、表像と言語の関係とかについて説明した後、(当時の)人工知能について、そんな万能なものできるわけないだろと批判する。 その後、コンピュータを道具として使いコミュニケーションをするツールとしての方向性を示唆する。コミュニケーションのブレイクダウンという考えは面白かった。また、当時の人工知能ブームの時の本なので、認知と言語に関する考察が多かった。デザインについては今でも結構参考になる、面白い本だった ここで批判されているようなことは現在の人工知能(といわれているもの)でも解決はしないが、DLによって表像といわれるものが理解できるようになっている気はしていて面白いなぁ

Conclusion

というわけで上半期は25冊読んでいた.読んで良かった本とかは今年のまとめ記事に書く予定.

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